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2021年5月15日土曜日

Creepypasta私家訳『写真の少女』(原題“The Girl in the Photograph”)

作品紹介

 CreepypastaであるThe Girl in the Photographを訳しました。 Creepypasta Wikiでは“Suggested Reading”や“Historical Archive”に指定されています。 誤訳などがあれば指摘をお願いいたします。

作品情報
原作
The Girl in the Photograph (Creepypasta Wiki取得。oldid=957385)
原著者
不明
翻訳
閉途 (Tojito)
ライセンス
CC BY-SA 4.0

写真の少女

ある日の学校、トムという少年が計算問題を解いていた。放課後まであと6分というところだった。宿題をしていると、何かがトムの目を引いた。

トムの席は窓の横だった。トムは外の芝生の方に顔を向けた。それは写真のようだった。学校が終わると、トムはそれを見た場所に向かって走った。早く走ったおかげで、誰にも取られないで済んだ。

トムはそれを拾い上げ、そして笑みを浮かべた。それは今まで見た中で最も美しい少女の写真だった。少女はドレスを着て、タイツを身に着け、赤い靴を履いていた。手はピースしていた。

少女があまりにも美しかったため、トムは少女に会いたくなった。トムは学校中を駆けずり回り、皆に少女のことを知っているか、以前に会ったことがないか聞いて回った。しかし、質問を受けた全員が「いいえ」と言った。トムは落胆した。

家にいるときも、姉に少女のことを知らないか聞いたが、残念なことに姉も「知らない」と言った。すっかり夜も更け、トムは階段を上り、ベッドわきのテーブルに写真を置いて、眠りについた。

真夜中、トムは窓をコツコツと叩く音で目を覚ました。爪で叩いているようだった。トムは怖くなった。窓を叩く音の後、くすくす笑う声が聞こえた。窓の近くで影が見えた。トムはベッドから出て、窓へ歩み寄った。そして、窓を開け、笑い声の方についていった。辿り着いたときには、それはいなくなっていた。

翌日、トムは再び近所の人たちに少女のことを知っているか質問した。皆が「ごめん。分からないよ」と言った。母親が帰宅したとき、トムは母親にさえも少女のことを知っているか聞いた。母親は「知らないよ」と言った。トムは自分の部屋へ向かい、写真を机の上に置いて、眠りについた。

トムは再びコツコツと叩く音で目を覚ました。写真を手に取り、笑い声の方についていった。道路を渡っていたときだった。トムは突然に車に撥ねられた。トムは写真を手にしながら死んだ。

運転手が車から降りて、トムを助けようとしたが、もはや遅すぎた。不意に運転手は写真を見て、拾い上げた。

彼が目にしたのは可愛らしい少女だった。指を3本立てていた。

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