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2020年5月6日水曜日
木片の中に消えた女——ヘラ・クラフツ事件
、アメリカはコネティカット州ニュータウンで発生した事件。客室乗務員のヘラ・クラフツが失踪した。ヘラの夫はパイロットであり、家庭内暴力を噂されていた。そのうえ、浮気までしていた。殺人が起きた疑いが濃厚だったが、遺体そのものは見つからなかった。おそらく、今もなお。ヘラ・クラフツはどこへ消えたのか……。
この事件は海外のテレビシリーズForensic Filesの最初の放送で特集された。2020年8月現在、YouTubeのFilmRise系列のチャンネルにて公開されており、無料で視聴できる。題名の通り、科学捜査を主軸とした番組で、殺人事件だけでなく、病気や事故について特集することもある。興味深い内容であるが、英語のために日本人には理解しにくい。本稿が番組の内容を理解するための一助となれば幸いである。
関係者
- ヘラ・ニールソン・クラフツ (Helle Nielson Crafts)
- パン・アメリカ航空の客室乗務員。1947年7月7日生まれ。当時39歳。デンマーク出身。リチャードと1975年11月に結婚。3児の母。1986年11月に突如失踪する。
- リチャード・B・クラフツ (Richard B. Crafts)
- ヘラの夫。イースターン航空のパイロット。1937年12月20日生まれ。当時49歳。ニューヨーク・シティ出身。副業としてニュータウンやサウスベリーで警察官 (助手?) を勤めていた。銃マニア。
- ドクター・ヘンリー・C・リー (Henry C. Lee)
- 科学捜査の専門家。後にO・J・シンプソン事件で弁護側の証言を行った。ジョンベネ・ラムジー事件の捜査でも功績がある。
- ドクター・アルバート・B・ハーパー (Albert B. Harper)
- 自然人類学者。ドクター・リーとともに科学捜査を行った。
- ドクター・コンスタンティン・P・カラズラス (Constantine P. Karazulas)
- 歯科法医学の専門家。
- ドクター・ローウェル・レヴァイン (Lowell Levine)
- 歯科法医学の専門家。ケネディ大統領やナチスのメンゲレ大尉の遺体の鑑定に携わったという経歴がある権威的存在。
- キース・メイヨー (Keith Mayo)
- 探偵。ヘラがリチャードの浮気を調査するために雇った。元警察官。1999年に自動車事故での負傷が原因で死去したとのこと。
- ダイアン・M・アンダーセン (Dianne M. Andersen)
- ヘラが雇った離婚弁護士。
- ドーン・マリー・トーマス (Dawn Marie Thomas)
- クラフツ家のオーペア。
- ジョセフ・ハイン (Joseph Hine)
- の早朝に道路を除雪する仕事をしていた。
- マイケル・デジョセフ警部補 (Michael DeJoseph)、ロバート・トヴァードジク刑事 (Robert Tvardzik)、パトリック・マカファーティ刑事 (Patrick McCafferty)、T・K・ブラウン刑事 (T. K. Brown)、マーティ・オーラダン (Marty Ohradan)
- ヘラ・クラフツ失踪事件を捜査した警察官たち (の一部。当然ながら他にもいる)。
- ジョセフ・パロムビジオ (Joseph Palombizio)
- リチャードに対してポリグラフ試験を行った人物。
- ウォルター・F・フラナガン (Walter F. Flanagan)
- コネティカット州検事。本件の裁判で検事側を主導した。2007年に退職。
- トーマス・E・ファーヴァー (Thomas E. Farver)
- 本件の裁判での被告人側の弁護士。
- マーティン・L・ニーグロー (Martin L. Nigro)
- 2度目の裁判での判事。
- カレン・ロジャーズ (Karen Rodgers)
- リチャードの姉妹。裁判以降、クラフツ夫妻の3人の子供 (当時12歳、10歳、8歳) を保護していた。ウェストポート居住。Gadoの記事で言及される「ウェストポート居住のリチャードの姉妹」はおそらくこの人物。裁判の際は犯人に対して最高刑を求めた。
- リーナ・ジョハンソン (Leena Johanson)
- ヘラの知人。1986年11月上旬にヘラから次のような不吉な言葉を聞かされた。「自分の身に何かが起きたら、事故だとは思わないで」(原文: "If anything happens to me, don't assume it was an accident." 出典: Gado, p. 2)
- ナンシー・ドッド (Nancy Dodd)
- リチャードの浮気相手。
ヘラの失踪
事件の舞台はコネティカット州ニュータウン (Newtown)。一般名詞のように見えるが地名であり、裕福な人が住む地域でもある。1986年11月18日の夜に吹雪が町を襲い、路面は雪で覆われ、停電になった。少なくとも11月20日まで吹雪は収まらなかったようだ。その最中、ニューフィールド・レーン (Newfield Lane) 5番地にある夫婦の家で何かが起こった。
、ニュータウン警察に通報があった。通報者は探偵のキース・メイヨー。内容は、依頼人のヘラ・クラフツが最近失踪した、おそらく夫のリチャードに殺害されたというものだった。
リチャードは商用航空のパイロットでありながら、副業で警察官も勤めているという人物だった。警察での仕事はパイロットと比べるとかなりの薄給だったが、リチャードは非常に熱心に副業に取り組んでおり、警察内では良い評判を得ていた。当時コネティカット州警察で使用されていたのと同じ車 (1985年フォード・クラウン・ビクトリア) を購入し、自費で警察用の装備を揃えたほど入れ込んでいた。一般に、妻が夫の元を突然立ち去るという出来事は珍しいものではない。夫婦喧嘩は犬も食わないというように、大抵の場合は大事にはならない。警察も当初は事を楽観視していた。しかし、メイヨーが自ら用意した調査資料に応じて捜査を進めたところ、事態は複雑であることが判明してきた。
ヘラの姿が最後に目撃されたのは11月18日のこと。ドイツへのフライトを終えて、友人に車で家まで送ってもらったのを最後に行方不明となった。次のフライトの予定があるにも関わらず、職場に姿を見せなかった。欠勤するという連絡も無かった。ちなみに、ヘラの車はケネディ国際空港のパン・アメリカ航空従業員用駐車場に放置されていた。
警察がクラフツ一家の友人たちに話を聞いたところ、ヘラは育児に熱心な母親であると評価されていた。幼い子供たちを置き去りにして、何も言わずに夫の元を去るような人物ではないと口を揃えて答えた。また、ヘラはできるだけすぐに離婚したいとこぼしていたという話もあった。リチャードは女性からすると魅力的な人物であったようだが、女癖が悪いことでも知られていた。ヘラは顔に傷を負うことがあり、家庭内暴力も受けていたようだ。それでも、子供の養育や体面を考えて我慢していたが、とうとう耐えかねたらしい。ヘラは1986年に離婚弁護士のアンダーセンを雇い、証拠集めのためにメイヨーを雇った。リチャードはニュージャージー州に住む女性と浮気していた。メイヨーはリチャードの浮気の模様をカメラに収めていた。
ヘラが不在である理由について、リチャードが拵えた言い訳も奇妙だった。理由がころころと変わったのである。
- 隣人への返答
- ドイツへ旅行に行っており、すぐに帰ってくる。
(しかし、別の人物には、どこに行ったか自分も知らないと答えている) - 11月20日 (19日?)、一家のオーペアであるドーン・トーマスへの返答
- どこに行ったか分からない。
- 11月21日、同じくトーマスへの返答
- 故郷のデンマークに住む病気になった母親のお見舞いに行っている。11月24日に帰ってくる (実はヘラの母親は健康そのものであったことを、ヘラの知人であるジョハンソンが確認している)。
- 12月2日、警察への返答
- 11月19日に停電のため、ウェストポートに住むリチャードの姉妹 (おそらくカレン・ロジャーズ) の家に避難しに行ったはずである。それ以来、何の音沙汰もなく、行方をくらます兆候もなかった。
- 友人への返答
- 親友のヘレン・ディクソン (Helen Dixon) とともにカナリア諸島へ行った。
11月19日の行動にも怪しい点があった。19日午前6時、リチャードは眠っていたオーペアのトーマスを起こした。リチャードは、吹雪で停電になったから避難しよう、ヘラは既にウェストポートの姉妹の家に向かっており、後で落ち合うことになると伝えた。午前6時30分、リチャードは3人の子供たちを起こし、子供たちとトーマスとともに車で姉妹の家へ向かった。彼らは姉妹の家に到着したが、先に向かったはずのヘラの姿はなかった。リチャードは子供たちとトーマスを車から降ろすと、すぐにどこかへ立ち去った。謎の空白期間を経て午後7時、リチャードは姉妹の家に戻り、子供たちとトーマスを連れて帰宅した。トーマスは主寝室のカーペットに大きな黒い染みができていることに気付いた。リチャードは灯油をこぼしただけだと答えた。数日後、その染みの部分は切り取られてしまった (ちなみに、メイヨーはトーマスのカーペットの染みについての証言を映像に記録し、警察に捜査をさせるための説得の材料にした)。
あまりにも怪しい言動のため、12月4日、リチャードは警察からポリグラフを受けることを求められた。リチャードは同意し、ポリグラフ試験をパスしてみせた。ポリグラフは決定的な証拠にはならないとはいえ、この結果を見て、一部の捜査官はリチャードは犯人ではなさそうだと判断したようだ。しかし、完全に疑いが晴れたわけではない。12月11日午後9時20分、リチャードが夜のシフトのためにサウスベリー警察署にいたところを、ニュータウン警察のデジョセフ警部補とトヴァードジク刑事が尋問に訪れた。ヘラの不在について質問される度に異なる言い訳をした理由を問われると、リチャードは、自分の妻が行方を晦ましたなんて言いたくなかった、自分もヘラがどこに行ったのか分からないと答えた。妻に逃げられた男が咄嗟に嘘をついただけ。あながちあり得ない話でもなさそうだが、警察官たちはリチャードの妙に落ち着いた対応に却って疑念を募らせた。
証拠集め
メイヨーは消えたカーペットの断片を探しにゴミ捨て場へ向かった。ゴミの山の中からそれらしき布切れを見つけたものの、残念ながら空振りだった。それでも、捜査は進展しつつあった。
刑事たちはリチャードのクレジットカードの利用履歴に着目した。リチャードは11月13日にウェスティングハウス社の大きな冷凍庫をダンベリーの家電用品店で購入していた。リチャードは375ドルを支払い、11月17日に引き取っていた。また、ダリエン・レンタルズ (Darien Rentals) で何らかの機械を借りており、900ドル支払っていた。
さらに、クリスマス休暇でリチャードが子供たちを連れてフロリダに行った隙を突き、州警察は令状を発効して家宅捜索に踏み切った。科学捜査の専門家であるヘンリー・リーも同行した。家の中は散らかり放題で、まともに家事が行われていないようだった。捜査官たちは冷凍庫を見つけたが、実はそれは元からあった冷凍庫だった。後に明らかになることであるが、リチャードが新しく買った冷凍庫は既に処分されており、その後も発見されることはなかった。 ドクター・リーはマットレスから微小な血痕を発見した。血液型はO型で、ヘラのものと一致した。血液の飛沫の形状から、鈍器で殴られたときに付着したものと推測された。 最近洗濯したと思しきタオルからも、血液を拭ったと見られる痕跡が発見された。しかし、遺体そのものは見つからなかった。
翌週になって事態は急変する。900ドルもの大金を支払って借りた機械がウッドチッパーであることが判明した。「ブラッシュ・バンディット」(Brush Bandit) という銘柄だった。どうやらリチャードは大量の木材を粉砕する用事があったらしい。12月30日、マカファーティ刑事とブラウン刑事は有力な目撃者を発見した。作業員のジョセフ・ハインである。ハインは11月20日の早朝、吹雪が吹き荒れる中で除雪をしていた。その最中で、U-ホールのトラックが路肩に駐められているのを何度か目撃した。トラックには大きなウッドチッパーが装着されていた。場所はゾア湖 (Lake Zoar) の近く。 最初は午前3時30分頃で、橋の上にトラックが駐められており、側には男が立っていた。男はハインに通り過ぎるように促し、ハインはそれに従った。 1時間後 (2時間後?) にリバー・ロード (River Road) で同じトラックを再度目撃した。近くに人は見かけなかったが、道路の路肩に木片が積み上がっていた。 早朝で、しかも吹雪の中、わざわざウッドチッパーを使う用事などあるのだろうかと不自然に思っていた。
ゾア湖のほとりでは木片の山が積み上がっていた。木屑の中を探ってみると、ぼろぼろの紙片があり、見てみるとそれは封筒だった。宛名はヘラ・クラフツ。捜査官たちはついに決定的な手掛かりを発見した。さらに一帯を捜索すると、他にもヘラ宛ての封筒がいくつか見つかった。それ以外にも、ブロンドの髪の毛、足指や手指の一部、爪、歯の欠片、骨片、血液、人間の組織片、布の断片、プラスチック片といった証拠品も見つかった。 12月30日にはゾア湖と繋がるフーサトニック川 (Housatonic River) の底でSTIHL社のチェーンソーが見つかった。チェーンソーはシリアルナンバーが削られて読めなくなっていた。最近になって水中に遺棄されたものと見られた。その刃には人間の組織片、ブロンドの頭髪、青緑色の繊維が僅かにこびり付いていた。 当時はDNA鑑定の技術が未発達だったが、それでも強力な証拠となった。
チェーンソーに付着した青緑色の繊維はヘラが好んだ綿製の寝間着の色と同じで、ゾア湖で発見された他の繊維と同一だった。ゾア湖やチェーンソーから発見された頭髪も、ヘラのヘアブラシに絡まっていた髪の毛と特徴が一致した。シリアルナンバーの復元にも成功し、1981年1月9日にリチャードが644.95ドルで購入したものと判明した。メイヨーがそのときのレシートを保管していた。ヘラがメイヨーに捜査を依頼した際に渡した書類の1つだったのである。
ゾア湖で発見された爪に付着していたマニキュアはヘラが使用していたものと化学的に一致していた。
レンタル会社の駐車場でウッドチッパーの実物が発見された。ドクター・リーは自然人類学者のドクター・ハーパーに協力を求め、骨片などが砕かれた原因を調査すべくある実験を行った。それは、件のウッドチッパーと同じものに豚を放り込むというもの。砕け散った残骸の特徴は、ゾア湖で発見された骨片のそれと同一だった。骨片を破砕して血液型を調べたところ、ヘラのそれと同じO型だった。
歯科法医学者であるドクター・カラズラスは歯の欠片を調査した。ある歯の欠片には金属の歯冠が付いていた。ヘラの歯の治療の記録と照らし合わせてみると、完全に同一人物の歯であると判明した。同じく歯科法医学者のドクター・レヴァインもドクター・カラズラスの見解を支持した。
1987年1月11日、リチャードに対する逮捕状が発行された。
ヘラ消失の経緯
結局のところ、ヘラはいかにして消滅したのか。警察の見解は下記の通り。
寝室で血液が検出された。血痕はベッドに体をぶつけて生じたものだろう。このことから、ヘラが殺害されたのは寝室であると推測できる。11月19日早朝 (18日?)、就寝時の準備か何かの最中に殺されたのだろう。その後、ヘラの遺体を最近買った大きな冷凍庫の中に入れたと考えられる。こうしてひとまず遺体を隠した後、眠っていたオーペアのトーマスと子供たちを起こし、停電を口実に姉妹の家へ連れていった。リチャードはすぐに家に戻った。おぞましい後始末はこの後に始めたのだろう。
リチャードは冷凍庫の中で凍結したヘラの遺体を、所有地の中でも人目の付きにくい場所へ持っていった。そして、チェーンソーで遺体を手頃なサイズに切断した。凍り付いた遺体をバラバラにするのは比較的容易だったことだろう。リチャードは遺体をゾア湖へ持っていった。そして、遺体をウッドチッパーにかけて粉砕し、ゾア湖の中に遺棄した。その後、木材をウッドチッパーに突っ込んだ。おそらく、血肉に汚れたウッドチッパーを綺麗にするためか、証拠の隠滅のためだろう。こうして、ヘラの遺体の大部分はゾア湖の流れの中に消え、ヘラは永遠に消滅した。しかし、全ての証拠が隠滅されたわけではなかった。遺体の一部は、ヘラの寝間着のポケットの中に入っていた封筒とともに地面に落ちたまま残っていたのである。
遺体の処分方法の残虐さは紙面を大きく賑わした。あまりにも有名になったため、陪審員の判断への影響が考慮された。裁判はニュータウンではなくニューロンドンで開かれることになった。しかし、この裁判では陪審員の合意が得られずに終わり、判決はノーウォークでの裁判に持ち越しとなった。結局、リチャードは有罪となり、50年間の禁固刑という判決が下った。遺体そのものが発見されずに殺人で有罪判決となったのは、コネティカット州では初の事例だった。裁判の際、リチャードは悔恨の念を見せることもなく、無感情のままであったという。
参考文献
- Season 1, Episode 1: The Disappearance of Helle Crafts. Forensic Files. YouTube.
- Gado, Mark. All about the Woodchipper Murder Case. Crime Library. 2020年3月31日閲覧.
- Associated Press (1999年1月9日). 50-Year Sentence Imposed In 'Wood Chipper' Murder. The New York Times. 2020年5月5日閲覧.
- Bigham, Steve (1996年11月22日). Notorious Crafts Murder Shook Newtown Ten Years Ago. The Newtown Bee. 2020年5月6日閲覧.
- McMurray, Kevin (2009年11月18日). 23 years ago, Richard Crafts was more willing to part with his wife than his money. NewsTimes. 2020年3月30日閲覧.
- Polansky, Rob; Naples, Kaitlyn; Hogan, Kevin (2016年11月17日). Woodchipper murder case from 30 years ago was pivotal for forensic scientists. wfsb.com. 2020年5月2日閲覧.
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